「辻ヒールの心得」

一、姿を見られないようにする
一、かけたら、全力で逃げる
一、追いつかれたら負け
一、遠くから御礼を言われても負け


「…よしっ!」
っと、決意を固めているアコライトの少年が一人。

今まさに新たなる辻ヒーラー見習いが誕生しようとしていた。








a bolt from the blue...










今日3ヶ月付き合ってきた彼女に振られました。

ちょっとほっといただけで別の彼氏を見つけてとんずらこかれました。
貸してたウサギ耳も、苦労して作った木琴も、過剰精錬していた武器も皆持って行かれてしまいました。
返してもらいたくても当然のごとく耳打ちも届きません。
もしかしてこれが目的だったとか言・い・ま・せ・ん・よ・ね・?

「ふっざけんなちくしょー!!」

というわけで、腹いせにチェイン持って人気のあまりない森の中でミンチ肉製造…もといポリン虐殺に勤しんでいます。
皆様こんにちは。
俺の名前はカーティス。生粋の殴りプリです。

「こっちが気を使ってっ」
ぼかっ
「プレゼントも考えてっ」
どかっ
「言葉も考えて優しく接してたってのにっ」
びしゅうっ
「何が『目つきの悪い人はやっぱり駄目…』だ!!!」
べしっ
「人の外見上げつねるなボケー!!!」
ばしゃあっ

というか、最初から分かってるだろう。そんなこと!!

ええ、どうせね、視線流すだけで睨まれてると勘違いされますとも!!!
それでその筋の方々からけんか売られたこともありますとも!!
素でタバコ吸ってて町の子供に泣かれた事がありますとも!
ショックでサングラスかける様になってますます堅気には見られなくなったしな!
聖衣服が似合わないプリーストランキングがあったら上位に名を連ねるかもしれませんがね!!!
ああ、ちくしょう!この三白眼が憎い!!!!

目に入ったポリンをすべてミンチに変えてひとまずすっきりしたところでチェインを下ろす。
桃色のゼリー状のものが溶けて土の栄養になろうとしている所で青いりんごが落ちていることに気が付いた。
「これ、確か…ポリンのテイムアイテムか…?」
俺は興味なかったけど、確かあいつが欲しがっていたような…。
と彼女の顔を思い浮かべてはっとする。
「何女々しく考えてんだよ、俺っ」
でも売ればこれも金になるか。
そう思って熟してないりんごを拾ったときだった。
「ヒールっ」
遠くから馴染みの呪文が聞こえてふわっと体に暖かな風がまとわりつく。
何事かと思って振り返るとこっちに背を向けて男アコが走り去ろうとしていた。

辻か?
…プリーストの自分に?
回復量からしてまだアコライトに成り立てって感じの人間が?
何ですか、ポリンからダメージ受けるようなそんな感じに見受けられましたか?
それとも癒されなければならない程哀愁漂ってたりしてましたか?

「…ふっざけんじゃねー!!!!」

腹立てていたこともあって一気にぶち切れた俺は速度増加をかけて男アコを追いかけた。
「待ぁちやがれー!!!!」
「ふえ…?うぎゃー!!!!!」
男アコが振り返り俺の剣幕にだろう、飛び上がらんばかりに驚いて必死になって逃げた。
「待てっつてんだろうがー!!!ぬっころすぞ!!!!」
「ひゃぁーーーー!!!」
男アコも必死だろうが
所詮はアコライト。
自分にかけていたのだろう速度増加も早々に切れたこいつの襟首を引掴んだ。
「捕まえたぞ!!!このやろう!!!」
「な、何ですか!!?一体…ぼ、僕が何をっ」
「俺にヒールなんぞしやがって…喧嘩売ってんのか、てめぇ!!!」
「え…?ヒール…?…もしかしてさっきの…?」
「ああ!一体どういうつもり…」
頭ごなしに怒鳴りつけようとした途端に、アコライトの目に大粒の涙が浮かんだ。
ぶわっと滝のようにそれが零れて何とそいつは大声で泣き出したのだ。

「うわああああああああぁぁぁぁぁぁんっ」

驚いて手を離せば、そいつはぺたんと座り込みまた顔を上げて大声で泣き出す。

何だ。俺が泣かせたのか?
俺の所為なのか!!?

通りかかった冒険者達の無言の突き刺さるような視線がめちゃくちゃ痛いんだけど…これって俺の所為か!?
しかし、こいつはまたかわいい顔した庇護欲を掻き立てられる様な14歳くらいのアコライトで。
俺は目つきが悪くて優しい顔立ちとは縁遠いサングラスとタバコ常備のプリースト。しかも凶器持ち。

…どう考えても俺が悪人じゃねぇかよ。

「ちょっと…おいっ」
「わああああぁぁぁぁぁんっ!!!」
「だから…泣き止めっおいっ!!!」

一体どうやったら泣き止むんだこれは!!?
子供に泣かれた事はあってもあやした事なんてねぇぞ!!!俺は!!
何を言っても泣き止む気配すらなく、周囲の視線にもう耐えられなくなった俺は思わずこいつの胸倉掴んでこっちを向かせた。

「男なら泣くんじゃねぇ!!!!」

頭から怒鳴りつけるとそれに驚いたのかぴたりと泣き声がやんだ。

よし、止んだ。

「泣くなよ。そのまま、泣くなよ…」
一喝して泣き止ませたのはいいが、またいつ火がつくか…。
泣く子供には誰も勝てやしねーんだ…。
俺の外見でまた怖がらせて泣かれでもしたら…。

これはとっとと去るに限るとそのままそいつを残してじりじりと後ずさる。
せめてこいつの気を紛らわそうと手に持っていたりんごを投げ渡す。
「そいつは詫びだ。…悪かったな怒鳴って」
正直惜しかったけれど、これでここを去れるんならいいと思いそのまま背を向けて走り出す。
声をかけられたかもしれないが聞かなかったことにして町に戻った。





「へー…テイミングしちゃったんだ」
「…その言い方は止せ、コール」
町に戻り、ギルドメンバーの溜まり場である酒場の隅の円卓に俺とギルメンの一人アサシンのコールが座っていた。
そして…それだけじゃなくもう一人。
俺の隣には先程いきなり泣き出したアコライトの少年。
どういうわけかこいつは俺の後を付いて来たらしい。
酒場の前でウロウロしていたのをコールが連れて来た。

小僧の前には渡した青いりんごが置かれている。
コールの言うテイミングとはこれをからかってのことだった。
…まだポリンの方がよっぽど精神的にはいいんだがな…。
今度からは逃げる人間は追いかけない、せめて頭にゼロピー投げるだけにしとこう。

「…で?俺になんか用?」
怒鳴った事なら謝っただろうが。
そう言ったものを視線に込めて顔を向ける。

「あ…あの、これお返しします。それと…さっきは失礼しました…」
アコライトの少年はりんごをそっと俺の方に移動させてオズオズと頭を下げた。
「僕…初めて辻という物をして…緊張してしまって…」
明らかに機嫌の悪い俺に怯えているのだろう。
小声でぼそぼそと呟く。

「…後ろ姿がアサシンさんに見えてしまって…」
「普通見間違うか!!?それ!!?明らかに違うだろうが!!」

反対隣に居るアサシンのコールを引っ張って見比べさせて怒鳴りつけると男アコがビクウっと椅子から飛び上がらんばかりに驚き、また肩をすくめてて小さくなった。
ああ、また怖がらせたと舌打ちする。
「はいはい、カーティス。どうどうどう」
「俺は馬か!!?」
コールに怒鳴って見せれば、こいつは聞く耳ももたずに目の前のアコライトを見ていた。
「君、名前は?」
「…エリックです」
「エリック、いい名前だね。俺はコール。で、こいつはカーティスって言うんだけど」
いきなり自己紹介しだしたので、ちょっと面食らってると。
「何でこいつに付いて来たの?」
ニコニコと笑顔を浮かべる。
こいつは俺と違って人当たりがいい。
ちょっと軽い奴だが、中々出来たやつで仲間内の仲裁役でもある。
こういうことには慣れているのでここ任せて黙っておくか…。
「…あの、僕…カーティスさんに…」
「大きな声で言え!」
小声にいらだって机を叩くと、即座に横から拳が飛んできた。

「怯えさせんじゃない!」

素手ではありえないほどの衝撃と痛みを感じて机に沈む。

「ごめんねー…こいつも普段はそれくらいで怒り出すような奴じゃないし、悪い奴でもないんだけど。今日は付き合っていた彼女に振られちゃってて気が立ってるんだ〜」
「言・う・な」
「で、カーティスになんだって?」

「…あの…僕っ!カーティスさんに先生になって欲しいんです!!」

「…は?」
机に突っ伏したまま咥えていたタバコを落としたことにも気付かずあんぐりと口を開けたままエリックを見る。
「先生って…スキルの?」
フェアルはコールの言葉に何度も頷く。
「あの…僕、うまく支援が出来なくて…。ヒール間違って別に人にしちゃったり…魔物に速度増加しちゃったり…この間もそれで友達と組んだPTを全滅させてしまったんです」
なんとまぁ…おっちょこちょいというか…。
さっきのことといい…。

慌ててかけ間違う姿がすぐに想像できてしまって笑えるんだけど。

「全滅…アコライトは君一人だったの?」
コールの質問にエリックが頷く。
「皆何とかカプラさんに拾ってもらえたんだけど…それで責任感じてしまって…なので練習しようと思って辻をしていたんです」

そりゃあな、自分の所為でと思っても仕方ないかもな。

意外とわかってない人間もいるようだが聖職者のスキルにはかなり精神力を使うものが多い。
それを考えずにいるメンバーに、支援する側が振り回されて全滅したPTというのもよく聞く。
でもそういう時にまず攻められるのはアコやプリだったりするのだからたまらない。
それでも仲間の命を半分預かってるのも事実。
こいつのように焦って支援をミスって精神力を無駄に使うような奴がその役担うのはまだまだ時期尚早ってやつなんだ。
もう一人アコがいて漸く半人前ってところだろう…。
実践慣れしてそうにも見えないしな。

「少しでもうまくなりたくて。早くパーティを支えるだけのプリーストになりたくて」
「お前の場合スキル云々というより性格の問題だろう。いくら緊張しててもな、プリとアサ間違ってちゃ世話ねえよ」
ずばっと言えば又泣きそうになる。
ああ、もう。だから俺ってのはどうしてこう口が悪いというか。
思ったことが口に出るんだよっ!

思わず助けを求めるようにコールを見上げると呆れた顔でフォローを入れてくれる。
「ふーん、それでこいつに?でもカーティスは殴りだよ?プリなら他にも一杯いるでしょう。君なら特に支援プリのおねーさんが優しく教えてくれると思うんだけどなぁ…」

それは俺も思う。
確かに女受けしそうではあるんだ。
綺麗に整えられた茶色の髪に薄い茶の瞳。
男にしてはちょっとなよっとしてるがそこら辺がまた母性本能をくすぐられるような清純そうなアコライト。

…ああ、俺がアコの時なんかは女が寄って来るどころか生意気だって男にけんか売られてたけどな…。
…畜生…うらやましくなんてねーよっ。
それでもちょっと心の中で涙を堪えてみたりする。

「それは…その。前に…ちょっとありまして…怖くて…」
ここで急に頬を染めて俯いてしまう。
「何々…、もしかして押し倒されちゃったり?」
コールが興味を持ってそう聞くと耳まで赤くなって黙り込みやがった。
「うっらやましー」
ヒューっと口笛吹いてエリックの肩を叩く。
そうか?
俺はむかつくぞ。

というか、これで決定的に印象最悪値M・A・Xですが。

「あのな、小僧。俺は先生って柄じゃねーんだ。他当たれ」

「え…で、でも」
「また泣かされたいのか?」
サングラスを指で引っ掛けて殺気込めてぎろっと睨みつけると、また泣きそうに顔を歪めたが首を横に振って顔を上げた。
「僕だって何も考えずにあなたに付いてきた訳じゃありません!!!」
がたっと音を立てて立ち上がる。
「覚悟だってしてます!!!」
「覚悟…?ああ、こいつ強面だもんね。口も悪いし」
悪かったな。コール後で奢らせるぞ。
「カーティスさんはいい人ですっ。そうじゃなくて…」
そこで急に赤くなってもごもごとエリックが口を動かした。

「…辻に失敗したらその人と結婚しなきゃいけないって…」

「は?」
なんじゃそりゃぁ。
「え?違うんですか?だってプリーストのお姉さんが…そうしないと神の加護がもう受けれなくなるからって。だから僕必死で…っ」
「ぶわははははははははははははは!!!!!」
コールが堪らず机を叩いて笑う。
りんごが揺れて机の上を転がった。
俺も額に手を当てて笑った。
ああ、なるほど。
暇してるプリのお姉さま方にはこいつはさぞやいいおもちゃだったんだろう。

失敗したら云々というのは俺がアコライトの頃にもあった話しだ。
失敗したら罰ゲームののりでいろいろな話があったがその中でも一番ばかばかしかった話が『失敗したら結婚』だった。
だがそのジョークを真に受けてる奴が居ただなんて…。

「ち、違うんですか!?」

信じらんねぇ。
こいつ抜けてる所の話じゃねぇ。
天然かよ。

「OKOK!!!君、いい!!!最高!!」
コールまで立ち上がってエリックの方を叩いてニヤニヤしながら俺を見てきた。
「カーティス。先生になってやれば?ここまで覚悟してるんだ、鍛えてやればいいじゃん」
「はぁ?」
またこいつの面白いもの好きが始まったか…。
「めんどくせぇ」
一言で切って捨てる。
エリックがぐっと泣きそうになったがそれは見なかったことにする。

どうせ。こいつも離れていくんだ。
下手な情が移る前に係わり合いは持たないほうがいい。

「ふーん…じゃあさ、エリック君。俺の知り合いのプリーストなんてどう?」
「ちょっと待て。お前の知り合いのプリーストって…まさか」
顔を上げるとコールがニヤリと笑った。
ざっと血の気が引く。
「小僧ちょっと待て」
襟首掴んで椅子に無理やり座らせる。
そしてコールを睨むように見上げて『耳打ち』する。
『お前な、自分の趣味にこんな子供まで巻き込むんじゃねぇ』
『やだなぁ。人聞き悪い』
『やかましいっ』
コールは悪い奴じゃないんだが、唯一つ問題が。
こいつホモなんだよな…。
今の相手のプリーストもつまり男な訳で…。
そんな中にこいつを放り込んだらどうなるか、分かったもんじゃねぇ。
かといってこのガキはガキで頑固そうというか思い込んだらっていう所がありそうだし…。

「…いい奴が見つかるまでだからな」

ぼそっと呟けばエリックがぱぁっと笑った。
「いいんですか!!?」
「とりあえず他の奴が見つかるまでだぞ!?」
繰り返し言ってもこいつは聞いているのかいないのか何度も頷いて可愛い顔で見上げてきた。

「僕…僕っ!絶対いいお婿さんになりますから!!」

……………ちょっと待て。
俺・が・嫁・か・よ。
というか、失敗したら云々は誤解だって言ったろうが!

またつぼに嵌って爆笑しているコールは放っといて、まだしている誤解を解くためにエリックに向き合って説明する。
「あれが嘘でも、僕決めてたんです。失敗したらその人を好きになるんだって。神の加護が受けれなくなるとかじゃなくて、ちゃんと好きになったから結婚するんだって。一人目で男の人ってのはちょっとビックリして泣いちゃいましたけどカーティスさんだったら大丈夫です!」
「『ちょっとビックリ』だけで納得すんな、そこ!!!また泣かすぞ!!」
「泣きません!僕、あなたが好きです!!絶対諦めませんから!!!振り向いてくれるまで頑張ります!!」
「頑張るんじゃねぇ!!!」

いかん、話が通じない…。俺は宇宙人と話しているのか?
何故思い込みだけで好きって言えるんだ?
最近の若者はそれが当たりまえなのか?
俺が知らないだけか?
何か…頭痛がしてきたぞ…。

「…あのな…思い込みで好きになられてもな…というか、先生って話だったんじゃねーのかよ」
「先生にってのも本気です。僕絶対立派なプリーストになってあなたを幸せにします!」
思わず頭を抱える。
どういえばこいつの思い込みから逃げる事が出来るのか、頭を悩ましていた。

そこで横からコールの腕が伸びて肩を引き寄せられた。
「盛り上がってるところ悪いけどさー。こいつの次の恋人は俺って言う約束してるんだよねー」
「おいっ!なんだそりゃ!」
また振って沸いた思い込み疑惑にドンと机を叩いて抗議する。
『こう言ってれば、諦めるだろ?さすがに』
コールがこそっと耳打ちしてきた内容にぐっと言葉を詰まらせた。
「本当ですか…?」
案の定、泣きそうになってるエリックを騙す事に罪悪感を覚えつつ何も言えずに居る。
「本当。何なら証拠見せてやろうか?」
「!?」
いきなり顎に指をかけられくいっとコールの方に顔を向けさせる。
サングラスを取られ有無を言わさず口にコールのそれが重なる。
「――――――――!!!!!!」
見開いた目の先にはコールの閉じられた目蓋がぼんやりと見え本気でキスされてるんだとわかった。
一気に血の気が引いて体が動かなくなる。
それをいい事に、口の中に生暖かいものまで入り込んできて口内を蹂躙していった。
あまりの事にまだ固まってる俺の舌を最後に吸うようにして唇が離れた。
ぺろりと唇を舐めてコールがエリックに向き直る。
俺はもう呆然とするしかない。
男にキス。男にキス。男からキスされて喜べるほど俺は人の道を捨てては居ない。

「な、だから諦めろ?」
「ぼ、僕だって負けませんから!!!!」
「!?」
急に反対側に引かれて姿勢を崩された所でまた口に暖かく触れたのはエリックの唇で。
俺は真剣にここで気絶するかと思った。
コールのように慣れたものではなかったが、消毒するように唇や歯茎を舐められる。
ぷはっと口を離してコールに向かって宣言した。

「これで同等です!」

「ほう…俺に喧嘩を売ると言うんだな」

そこ、目を据わらせるな!!
というかこの元凶を連れてきたのはお前だろうが!
さっきまでの好意的な態度はどこへ行ったんだ!!?

「カーティスさんを諦めるなんて出来ませんから!」

対抗意識燃やしてるんじゃねー!!!
俺は口を掌で覆い隠して二人の声を黙って聞いていた。

とりあえず大声で叫ぶのはやめろ。
酒場は人で半分埋まっているというのにいきなり始まった男同士の痴話げんかに静まり返っていた。
つまり、最初から見られていたのだ。
そりゃそうだろう…、こんな見世物あまり無いもんな。
ホモの痴話げんかなんてよ…。
俺だって他人事なら酒の肴にしてるところだよ。

「…………」

俺は黙って目の前の机の端を掴んで一気に頭の上まで持ち上げた。

「あ…お、おい…カーティス〜?」
「カ、カーティスさん…っ?」
二人は黙りこくった俺に顔を引きつらせていた。

「沈め」

酒場の一角から隕石でも落ちたのかと思わせるほどの破壊音がして瀕死の死亡者が2名ほどでたのだが、生き返らせようなどという奇特な人間は居なかった。



なんてこった、畜生。
彼女に振られたその日に、この追い討ちかよ。
思わず心の中で逆十字を切ってしまった俺はプリースト失格ですか、そうですか。



「…俺はぜってー神様なんて信じねぇ」





ほんの少しのつもりで関わったこいつと、今後長い付き合いになることをこの頃の俺はまだ知らない。



















…AND CONTINUE?








+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

プリースト受強化シリーズ。
アコライト育成編。
いや自分書くプリって攻めしか居ないから…。たまにはと思っていたのですが、…いつもながら個性的な受けですね。というか、これでアコプリやろうってのが間違ってるよトナミさん…。押し倒せないよ、トナミさん…。

カーティス(22)…殴りプリ。サングラス常備。ヘビースモーカー。
エリック(15)…支援アコ。もらい物の看護帽を愛用。
コール(23)…二刀流アサシン。服と合うからという理由でボンゴン帽を愛用。

ちなみにエリック君のこの時点のスキル紹介〜。
ヒール5、速度増加1、ブレッシング4、エンジェラス2
…はい。次回カーティス君から怒って貰いたい所があったりします。
おそらくアコやったことある人が見たら一発で突っ込みが入るスキルがね…。




トナミミナト拝


a bolt from the blue…青天の霹靂
(晴れた日に突然鳴り渡るかみなり。思いがけない事変や打撃の意にも用いられる)







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