12/24/2005 イブ


ネオンは満面の笑顔で片手を上げてそれをさした。

「見てよこのシルエット!画期的じゃない!?」
「画期的って言うか・・・・・」

ネオンが買ってきたツリーに皆が絶句する。
それもそのはずで、クリスマスツリーとなるモミの木は普通上を頂点に下に向って広がっていくものだが、これは逆さまで上に向って広がっていくというものだった。
一緒に買出しに行っていたソラは、笑いをこらえながら買ってきた食材やツリーの飾りをテーブルに置いていく。
「もう街頭で一目惚れしたらしくて。今年初めて出した新しいタイプのツリーらしいですよ。モミの木の下に一杯プレゼントが置けるとかで好評らしいです」
「でもこれ天辺の星はどこに飾るのさ」
バーンが興味深深にモミの木の天辺に手をかざすが、当然そこはまっ平だ。ネオンはその広い背中をばちこーんと叩いた。
「そんなに付けたきゃ下につけりゃーいいじゃない。でも吊るす方がきっと綺麗よ」
「ネオン。飾りつけてもいいかしら」
「うちもやりたぁいー!」
さっきから面白そうだと顔を輝かせてモミの木をいじっていたサクヤとレイリンが飾りの入った袋を物色する。
「ちゃっちゃとやっちゃいましょう。センスの無い男は台所にでも行ってなさい」
びしっとバーンを指差してネオンは二人に混じって飾りを取り出しにかかった。
「俺限定かよっ。もー・・・どーせ俺なんておさんどん係ですからー」
「僕も手伝いますから。カイ君とラン君はどうします?」
「俺は二階で寝てる。・・・・・ランは飾りつけ手伝ったらどうだ?」
「・・・・?」
カイが上に行くなら当然付いていく気だったランがカイの言葉に不安そうな顔をする。その金色の頭をなでてやりながら、カイは目を合わせる。
「年に一度の事だから。それにランはこんなことしたことないだろう?」
「・・・・・・・」
躊躇うように小さく頷くランの肩を抱いてモミの木の前に押しやる。まだ戸惑っているランにネオンが光沢のある小さな星が連なった鎖を手渡した。
「ほら。好きなとこに下げて」
「・・・・・・・・」
ランはものめずらしげにそれを見て目を細めた。そうしてモミの木とそれを見比べて、開いてそうな場所を探す。
ついっと伸ばした手でモミの木の枝にそれを吊るした。

小さな小さなそれを、皆のものと一緒に。

わずかにランの口元が上がるのをカイは見た。
「・・・・・・・・」
そんな表情に心温められるのを感じながら、賑やかなモミの木に背を向けて部屋から出る。

いくつもの星に混じって飾られた小さな星。
それはランの姿だったのかもしれない。


++++++++++++++++++++++++

逆さツリーは実在します。


11/18/2005 暗い欲望(バーン×ソラ)

一回り小さな体を挟む様に、両腕で檻を作る。
壁際まで追い込まれたソラさんは、逃げ切れない事を悟ったのか、黙って下を向いていた。
かすかに震えるまつげに目を引かれた。
いつだって見上げていた人がこんなに細かったのだと今始めて気がついた。
「どうして逃げるの。ソラさん」
低く問い詰める口調がソラさんの肩を強張らせた。わかってるのに苛立ちを抑える事なんて出来そうに無かった。
「に・・・・逃げてなんか・・・・」
「うそ。だったらなんで荷物持ってプロンテラから出ようとしてるのさ」
あからさまな嘘は自分を余計に苛立たせる。
「・・・・・・ソラさん知ってたんだ。俺の気持ち」
「・・・・・何の事ですか・・・・」
「こっちを向いてよ。俺を見て言って。目を逸らさないでよ」
「・・・・・・・・」
覚悟を決めるように目を一瞬だけ閉じて、顔を上げて俺を見上げた。
今にも泣きそうなソラさんの瞳に恐怖の色を見て愕然とした。
思わず壁についた手を握った。
ぞっと背筋が凍って、自分の中の憤りが一気に別の感情に摩り替わったのがわかる。
「・・・・ソラさんにそんな顔させてるのは俺なんだね・・・・」
笑ってくれていたのに。
昨日までは確かに自分に温かい笑顔を向けてくれていたのに。
なのに怖がらせた。

自分がソラの事を好きだと思う気持ちが、ソラの負担になってるだなんて。
その所為で、一人彼がこのプロンテラから出て行こうとしていただなんて。
胸がつぶれそうなほどの悲しみと共に、どす黒い感情が沸き起こる。


「・・・・・そんなに俺から逃げたかった・・・・?」

どうしよう。


今すぐあんたを攫ってめちゃくちゃにしたい。




両思いになる前の話



02/09/2005 魔女達の宴

毎月1日、魔女達の宴が始まる。

「今月のはちょっといまいちかな」
「あら。そうでもないですわよ?この話なんて良かったんじゃありません?」
「うち、最後に載ってた話が好きやわー」
アルケミのアケミ、プリーストのサクヤ、アチャのメイリン。
この三人の話の中心になっているのが、彼女達が持っている「月間RO的♂萌集●所 会誌265号」であった。
(関係者の皆様方大変申し訳ございません)
お茶とお菓子は女性の嗜み。バーンが作ったらしい色とりどりのスコーンに舌鼓を打ちながら、
「そうそう、先月載ってたバードと商人のお話。あれ実話らしいですわ。友人が送ってましたの。あらこれ何が入ってるのかしら・・」
サクヤが手にとったのは黄色のスコーン。それに、アケミがジャムの瓶を手に取った。
「うちのギルドもネタは転がってるんだが。・・・それリンゴジャム乗せるとうまいよ。ほい」
「ばれた時が怖そうですからねぇ・・・。うう・・・・・焼きたてにたっぷりのクリームも絶品ですわ」
「特にこのお菓子が食べれなくなったら、うち泣くわぁ・・・」
ふぅ、とため息をつく三人。
「そう考えるとうちで唯一のフリーな男性は意外な事にネオンさんなんですよねぇ」
「本当に意外や〜」
「まぁ、ネオンは結構ランク高いし付き合ってて楽しくもあるんだけど。実はこのピアスあいつの見立てなんだよね」
そういって髪を掻き上げたところに下がっているのは少し凝った作りになっているティアドロップ型の紫の宝石。
「あらそうでしたの。アケミにしては珍しいタイプだと思ってましたけど、そういうのも似合いましたのねぇ。私もこの間この香水一緒に選んで貰いましたわ。一人じゃ決め切れなくて」
そこで、メイリンが小首を傾げてポツリと呟いた。
「・・・・なんでネオン兄って女の子に振られるんやろ」
一瞬黙った二人が互いに顔を見合わせてはぁ、とため息をつく。
「・・・・簡単だな」
「・・・・わかりきってる答えでしてよ、メイリン・・・」
きょとんとしているメイリンに二人は声をそろえて

「「誰だって自分より美人でセンスも良すぎる彼氏なんて欲しくない」」

「友達としては最高なんだがなぁ」とアケミが呟くのを納得したメイリンとサクヤが頷いていた。

■どっとはらい




02/07/2005 とある日のソラさんの独白2

まだ自分の世界が薄暗いままだった時の話。

町からちょっと出た所にある草原。
ここは静かで自分のお気に入りの場所だった。
いくら春になったといってもまだ風は冷たかったが、その日は陽気に誘われるように眠っていたのだ。
頭の片隅でそのままになっていたカートの事が浮かんだが、それすらも今の自分にはどうでも良くて。
それくらい眠りたかったというよりは、別に単純にどうでもよかったのだ。
物がひとつ二つなくなっても、すべて無くなってもかまわない。
友人の赤髪の魔術師は無用心だと盛大に怒るだろうけど、命すら取られてもかまわなかったのだ、この時の自分は。
日差しが強くなって大地が暖かくなったのか、ぬくもりに包まれている気がした。
風もやんでひたすら心地良い。
だからだろうか。子供の頃の夢を見た。
自分は茶色の大きな犬を飼っていた。
僕はその犬が大好きで。その犬も僕を好きでいてくれて。
一緒に遊んだり一緒に寝たり・・・ずっと一緒にいた。
顔を近づけると嬉しそうに顔をなめられる。だから僕もお返しにキスを返した。
「っ」
草がこすれる音と、人の気配に僕ははっと目を覚ました。
上にきていた太陽に手をかざしながら、いつのまにやら隣にいた人物に気がついた。
目の前には騎士になったばかりの少年がいた。
いや、もう青年と言ってもいいかもしれない。とっくに僕の背丈を越えた彼が顔を真っ赤にしてなにやら慌てていた。
「たまたまここ通りかかってたらソラさんが寝てて!ソラさん起きるまでここにいようかなって。ひ、暇だし!そしたら何か俺も眠くなっちゃって!ほら天気もいいしさ!」
鎧に草がついているとこを見ると、どうやら隣で風除けになってくれていたらしい。
通りで風がやんだわけだ。
「起こしてくれてよかったんだよ?」
申し訳ない事したなぁ・・・。
僕も体を起こして彼と自分の体についた草を払った。
騎士・・・バーン君は真っ赤な顔してなにやら口ごもっている。
・・・・熱でもあるのかな?
その手にはなにやら紐がぐるぐる巻きつけてあった。見るとその先にはまたぐるぐる巻きになった僕のカートがある。
僕の視線に気がついたバーン君は又慌てて腕に巻きつけていた紐を外そうとした。
「いや俺はっ、寝てる間にカートが盗まれたら嫌だなっと思ってさっ」
だから・・・こうして紐で繋いでいたらしい。
「・・・・・・・・・・」
そんな彼の優しさに胸が暖かくなる。
だが、よほど頑丈に巻きつけてあったのだろう、いくら引っ張っても紐が解けない。
「あれ?えっと・・・」
引っ張ったり紐の端をねじってみたりと四苦八苦しているバーン君。
その姿にふと思い出すものがあって、僕はつい噴出してしまった。
「ソ、ソラさん・・・?」
「くくく・・・っ。ご、ごめ・・・だ、だって・・・・あはははっ」
「????」
バーン君には言えないよねぇ。
毛糸で遊んで、絡まって慌てていた大型犬とそっくりだなんて。
彼の優しさと、懐かしい思い出と・・・・。
久方ぶりに屈託無く笑う事が出来た僕は、バーン君がすねてしまうまでその笑いをやめる事が出来なかった。

後にそれが二人の初めてのキスだったのだとバーン君に聞かされて、「まさか他の人にはしてないよね!」などと真剣に詰めよられて今度は僕が困る事になるのだがそれはまた僕らが恋人同士になった後の話。


■このアクシデントがきっかけで、バーン君もアタックを開始しちゃうわけなんですよ。



06/27/2004 とある日のソラさんの独白

「武器打ちたくないんだったら、それでも良いんじゃない?でもそれは修行を怠る理由にはならないわよ。
家に篭っててもね、良い事なんて一つも無いの。良いから付き合いなさい」
そう言って役に立たない僕を狩りに連れ出してくれた。
武器どころか鉄一つ作らない製造型に彼はどうして付き合ってくれるんだろう。
何度問い掛けても、彼の言葉は一緒だった。
「あなたの武器をもう一度見たいのよ」
でも打てないんです。もう自分は金槌は持てない。
あの日、すべてが壊れてしまったから。

僕が打ちたかったのは、同じギルドだった皆のための武器だった。
だけどもう打っても受け取ってくれる人はいない。
まだ、全員に作ってなかったのに。
一度だって打つことが出来なかった剣や槍。
彼らは僕の武器が出来るのを楽しみにしてくれていたのに。
僕は最後まで何の役にも立てなかった。

今も、この魔術師のお荷物にしかなってない。

もう少し力があればいいのかな?
もう少しすばやさがあれば。
もう少し耐久力があれば。
皆死なずにすんだのかな。
もう、あんな思いする事はない?
武器を作れないBSより、戦う方を選んだ方がまだ役に立てるのかな。

魔術師が炎で魔物を葬った時、祝福の天使が僕の頭上で舞った。
「あら、レベル上がったのね。おめでとう〜」
僕は汚れた顔をぬぐった。呆けたように冒険者カード取り出して見て、そこで目を見開いた。

DEXとLUKが上がっていた。

「・・・・・・・・・」

どんなに力を求めても、自分の心は決まっているのだと。
目の前に突きつけられた真実に、思い知らされた。

「・・・・・・う・・・・・・・うあっ・・・あっ・・・・・・」

胸が張り裂けそうだった。
カードを握り締めて、その場に蹲った。

もう枯れ果てたものだと思っていた涙が、溢れて止まらなかった。


06/17/2004 メールでの疑問要望回答編その2

Q:「ところで、もしやネオンさんもサ クラさんのお弟子さんなのですか?」

↓短編での伝承話に出てきているマジ師匠サクラ視点でお送りさせていただきます。

「あ、ごめんなさい・・・・・・あら?あなたどこかで・・・」
アキと肩がぶつかった魔術師が立ち止まってアキを見た。そして視線を下げて俺と視線がぶつかった。見覚えのある顔に内心驚いた。
赤い髪で顔を半分隠した魔術師。男なのにやけに線の細い中性的な顔は前に会った時と変わりが無いように思った。
驚いたのは向こうも同じ事だったようで、俺の顔を見て驚いたように目を見開く。そしてニヤリと笑ってみせる。
そういや、こいつも魔術師の最上位にいてもおかしくは無い。伝承の話もあったのだろう。伝承が密かに試験されていることは最重要機密と去れているが、こいつならばれていても仕方ない。
「・・・・・・まぁ・・・。どこかの誰かさんによく似た子供ねぇ・・・隠し子かしら」
「始めまして、お姉さん」
互いに棘のある言葉を笑顔でかけると、一瞬だけその場の空気が凍った。
互いに笑顔だけは絶やさずに。
「・・・・・・あの、お知り合いですか?」
街中で冷気を吹かせる自分達にアキが口をはさむ。
「とんでもない。知り合いだなんて」
「ぜんぜん知らない人だよ」
同時に吐いた台詞のまま俺たちは擦れ違おうとした。どうやらここで俺の正体に関して話す気は無いらしい。
その時ボソリと呟かれた耳打ちに、俺は笑みを浮かべてアキの手を握った。
「師・・・サクラ?」
何でもないと答えてそのまま歩いた。ほほを染めて困ったように首を傾げるアキを見て喉の奥で笑う。
「・・・・・・さっきの人・・・綺麗な人でしたね。お知り合いだったんでしょう?」
ほんの少し浮んだかわいらしい嫉妬に口元を上げる。
「別に。ま、強いて言うなら同じ狩場仲間だったってとこ?」
生まれながらの勘を持った天才肌の魔術師で、若いくせに妙に気が合った。師についた事が無いという彼に、少々指導の真似事もした事もある。かといって師でもなく、友人でもなかった。馴れ合う事は無かったし付き合いも短いものだったのだ。だが競い合う様にして狩り合い、その度毎に腕を上げていくこいつを見ているのは楽しかった。
「ギルドエンブレム付けてたな・・・」
互いに一人身が気楽と言ってたんだが。変わったもんだ、俺もお前も。

『可愛い子じゃないの。せいぜい捨てられないようにしなさいよ』

握ったアキの手を握る力をほんの少し強めた。
「・・・サクラ?」
「・・・・・・何でもない」

だがその変化が、今は愛しかった。


■うちリンク多いですからねぇ。知り合いだったらこんなとこでしょう。


06/17/2004 メールでの疑問要望回答編その1

頂いたメール↓
「ネオンさん大好きです!うちに転職間近の娘アコがいるのですが嫁に貰ってい ただきたいくらいです。そしてガイアさんとバトル」

ネオン「嬉しい事言ってくれるわねぇvまずはお互いの事を知る為にも今度デートでもいかが?」
ガイア「そん時はもちろん俺も一緒だろうな?」
ネオン「出たわね、ボウフラローグ・・・。何であんたを連れて行くことが当然なのよ」
ガイア「そりゃ、俺がお前に惚れているからさ。恋敵を見とくのは当然の事だろう?そうだな、デート場所はオークダンジョンなんてどうだ」
ネオン「何で腐兄貴達に集団ハァハァされるようなとこに行かなきゃならないのよ!!!デートといったら綺麗な場所でしょ!?」
ガイア「ああ、なるほど。なら伊豆5Fとかもいいな。あそこは綺麗だ」
ネオン「あんたあんな深い崖のある場所で何する気よ・・・。いっそあんたをあそこから突き落としてやろうかしら・・・」
ガイア「デートの誘いか?」
ネオン「どこを聞いたらそうなるの!!?もう邪魔しないで頂戴!結婚が実装された今、結婚退職は私の夢なのよ!」
ガイア「だから俺とすればいいだろう」
ネオン「同姓同士は認められてないわよ、残念ね」
ガイア「ははは。大丈夫だ、きっとお前はウエディングドレスが似合うから。ばれないばれない」
ネオン「ばれるわよ!!!」


■こんなとこですが、メール送って下さった方ありがとうございます。すべてありがたく読ませて頂いてます〜v感想なんかもありがたく、中にはこれから明かされる秘密をついてくる人もいてほくそえませて頂いてます。そういやECOの二人はどっちが下なんでしょうねぇ・・・。(大笑)
思いも寄らない感想いただけたりして楽しいので、また溜まったらこうやって解答編作りたいと思います。


04/02/2004 短気集中連載

「三ヶ月ですって」

「はい?」
ニコニコ笑ってそんな事を言ったソラさんに、何が三ヶ月?と小首を傾げるバーン君。あまりに突然の発言だったためその意味がわからない様子。ソラさんは相変わらずホニャンとした顔で何でもないことのように続けた。
「実は僕、子供を生める体だったんです。この間から何だか体の調子がおかしくて、お医者様にかかったらおめでとうございますって言われちゃいました」
「!!!!!!!!………………そっ…た、大変じゃ…っ」
漸く事の次第を理解したバーン君は開いた口が塞がらない。頭抱えてぐるぐる部屋の中を歩き回りながら、なにやら考え込んでいた。
「と、とりあえず安静にすればいいんだっけ?何か食べるものも変わるとか聞いた事あるけど、ソラさん平気っ?あ!!!狩りは1年控えてね!!!あ、製造依頼も暫く駄目だよ!火とかの近くに寄っちゃ子供にも影響しそうだし!!!え?え?そ、それに…後なんだっけ。」
そこまで言って、急に感慨深くなったのか、ソラさんをギュウっと抱き締めながら弾んだ声で言った。
「三ヶ月って言うんなら生まれるのは冬?うわぁ、うわぁー。ソラさんに似た子供だったら男の子でも女の子でもすっごいかわいいだろうなっ!あー、でも女の子だったら俺絶対手放せないっ。う――!!!どうしようっ!!!」

さて、僕もどうしよう。……バーン君今日が何の日か本気で忘れてるんだろうなぁ…。困ったなぁ。ほんの冗談だったんだけど。
「あっ、力一杯抱き締めたら駄目だよね!!」とか言って慌てて離れるバーン君に、いつ嘘だと言えばいいのだろうと困ってしまったソラさんなのでした。

■ありきたりですいません。エイプリールフールネタでした。この日のこういうネタは男性にとっては本気で洒落にならないらしいので止めときましょう。(笑)しかし、これはソラさんが嘘つくのがうまいのか、バーンがアホなのかどっちなんでしょうね。


03/06/2004 バーンから見たカイ×ラン
悪魔プリーストは天使のように綺麗なアサシンを膝に横抱きに抱いて質問していた。
「ランはりんごは好き?」
カイの質問にランは黙ってる。ただランの頭についたウサギ耳がへにょんと力無く揺れた。
それにカイはくすりと口元を上げる。
「じゃあチョコレートとかクッキーは?」
カイがそんな質問をする理由がわからないのか黙ってるランのウサギの耳がそれでもぴんっと立つ。
「蜂蜜は好き?」
あ、今度はウサギ耳が赤くなった。
きっと夜使われているのを思い出したんだろう。というかカイは分かってて言ってやがるしな。(このサド男)
見事に桃色のそれがピルピルと震えている。本人の顔色は変わってないって言うのに。
思わず器用だなぁ…と感心してしまった。まぁ、過去に暗殺型のアサシンだっただけに感情表に出すわけにいかなかったのかもしれないけど。
「昨日バーンが焼いてたホットケーキは好き?」
またウサギの耳が綺麗に立った。
そうか、黙って食ってたけど気に入ってくれてたわけね。ふーん、また作ってやろうかな。今度は胡桃とバナナも刻んで入れてやろう。
カイはランの髪を指で弄びながらにっこり笑った。
「じゃあ、俺の事は好き?」
それにランは一瞬でウサギの耳も自分の耳も桃色の染めた後、自分でこくんと頷いた。

…………はいはい、もー勝手にやってくださいよ。あんた達。

(無表情アサシン、ラン君の感情の変化はその頭に付いているウサギ耳で語られているというお話)


03/04/2004 ガイア×ネオン
プロンテラをちょっと出た草原の木の陰。
ぽかぽかした日差しの下さわさわと心地よい風に吹かれながら、憮然とした顔で一人のローグが自分の背にもたれ掛る線の細い、しかしこの世で最も手ごわい魔術師に声をかけた。
「質問してもよろしいでしょうかね。ネオンさん…?」
「なぁによ…もー…眠いんだから後にして。昨日ソラと徹夜で飲んでたんだから眠いのよ…」
ウワバミのこいつに徹夜で付き合える奴が居たのかと驚きはこの際置いといて。
もう既にうつらうつらと自分の背中に寄りかかって目蓋を落としているであろう美貌の魔術師に食い下がる。
「寝るんなら膝貸してやるぞ」
「イヤよ。そんなことしたらあんたに何されるかわかったもんじゃないじゃない」
お前に惚れている男の前で寝るって言う割にしっかり予防線は張るわけね…。
それに、とネオンが後ろでもぞもぞするのをガイアは眉を潜める。
ネオンはガイアの背中の上から下までをその優美な指で辿って行った。
「ここからここまでのラインが丁度背もたれにいいのよ」
……それは誘ってるんですか?(もちろんそんなはずが無い)
ぞくっと官能を引き出されるような指の動きにガイアは頭を抱えた。
ネオンは何も無かったようにまたぱふっと広い背中に寄りかかる。
「三時間したら起こして」
そのセリフ。ぜひベットの上でお聞きしたい所だよ…。
惚れた弱みで何も言えずに居るガイアの背中でネオンはすやすやと寝息を立てていた。
木陰涼しや、昼下がりの午後。


02/24/2004 カイ×ラン(お昼寝)
HPのメニューを整理してみました。ちょっとは見やすくなったかな…?

<お昼寝>
カイが目を覚ました時、肩にかかる重みに驚いた。視線を送れば其処には柔らかな金糸の髪。
ペットの散歩に出ていたはずのアサシンがカイの肩に頭を乗せてすやすやと寝息を立てていた。その膝で仔デザートウルフも丸くなってお休み中のようである。
『・・・この間まで触ってくる事も無かったのに』
起こさないように細心の注意を払いながら子供のようなあどけないその寝顔を堪能する。
こっちから触れても怯えていた彼が、今ではこうして自分でもたれかかってくれる様にまでなった。その事が素直に嬉しい。
カイは穏やかな気持ちのまま目を閉じる。
このままもう少し眠りたいと、そう思った。


02/14/2004 バレンタインですね
「恋人達に贈るバレンタインチョコ!一ついかがかな、諸君」
マッドの気があるアルケミスト・アケミが取り出したのは
綺麗にラッピングされたバレンタインのチョコレート。しかも二つ。
それを前にして口をへの字に曲げているカイとバーン。
「いらない」「あ、俺も。どうせまた何か入ってるんでしょ?アケミさん」
「僕が何も入れないと思うか?」
「「尚更いらない」」
「まぁ、聞け」
アケミは周囲に聞こえないように二人の肩を引き寄せるようにしてニヤリと笑った。
「……実はこれ。…食べると『ちょっと気持ち良い気分になっちゃったりする』んだなぁ、これが」
「………」
「ほほう……イロイロと練りこまれているわけですな…」
案の定ぴくりと反応してきた二人にくくくと笑う。
「もちろん後遺症は無いぞ。…使うか使わないかは、君達に任せるよ。
今回はサービスだが、3月は期待しておくと言っておこう」
ではっと去っていくアケミ。その腕にはこのチョコが山ほど入っているのだろう白い紙袋があった。
またどこのどなた方に配る気なのやら…。
早く彼氏が出来ればまだこっちの身の安全も確保されると思うのだが、
『男より実験』の彼女には馬耳東風…。
残された二人の手には一つづつチョコが残され、互いにどうするか顔を見合わせていた。

14日何があったかはそれぞれの恋人達の為に秘密という事で。


02/12/2004 更新
★ANGELIA-4話目
漸くくっついたという感じでほっとしてます。

ここから小話。四話後日談

「何でランにペットを?」
不思議に思った事をカイに聞いてみるバーン。
「子供の情操教育にはペットだろう?」
「……子供…」
その子供を食っちゃってる人の言葉とは思えませんね・・・。
「あのデザートウルフの子供、名前もう決まってるの?」
「ああ、ランがつけた」
「へぇ、なんて?」
「ウルフとか言ってたな」
「…まんまじゃん…」
「そういうところがまた可愛いんだ」
…お後がよろしいようで。


02/10/2004 ならず者×カマ魔術師
町はすぐそこまで来ているイベントで賑わっている。
それをぼーと眺めている魔術師が一人。
「…バレンタイン…かぁー…それまでに彼女…は、無理よねぇ…やっぱり」
…むなしい…。なんてむなしいイベントなの…。
「彼氏候補ならここに居るって言ってるだろうが」
またぼうふらの様に湧いて出たローグに、もはや驚く事も無くなってしまったわよ。
ぎっと右隣に顔を向けた。
「むさくるしい男なんてお断りよ!!!どっか行って頂戴!!!」
「何ならあんたが俺にチョコくれてもOK。俺は何も言わずに黙って受け取るよ」
だから…何で私があんたにやらなきゃいけないわけ?
というか、何彼氏面してんのよ。
「バレンタインってのは胸の内に秘めていた心を素直に示す日なんだからさ。ネオン…」
「やだわ…いつも素直に示してあげてるじゃないの…」
腕を伸ばしてローグの首をねじ切らんばかりに締め上げる。
「あいたたたたた。首折れる首っ。…ふむ…なんなら俺がプレゼントしようか?」
「………あんたから貰うくらいなら時計塔4Fからヒモ無しバンジーするわ、私」
出来たばかりのサブイボを掻きながら毒づいたとある日の出来事。


02/09/2004 男は胃袋で落とすべし。(バーン×ソラ)
まだバーンが剣士でソラさんに告白する前の話。

目の前にはほかほかごはんとおいしそうな湯気を立てるベーコンの野菜炒めと卵焼き。
お味噌汁の横にはきゅうりの即席付けとデザートの苺まである。
これらは20分前まではたしかにこの家に無かったものだ。
「これ…みんなバーン君が作ったんですか?」
武器作りに集中していてご飯を丸1日食べてなかったソラは
あっという間に出てきたこれらに目を丸くする。
「俺の家食堂やっててさ。ガキの頃から手伝いさせられてたからこういうのは得意なんだ。
カイも全然作らねーし、飯作るのはいつも俺の役目だったしね」
バーンは使っていたフライパンを片付けながら得意げに笑った。
ソラはお味噌汁に口をつける。
「…おいしい。」
「ホント?味濃くない?」
「丁度いいですよ。これだけ作れれば、バーン君いつでもお婿にいけますね」
「…じゃあさ、ソラさんが貰ってくれる?」
「やだなぁ、バーン君。それじゃ、お嫁さんになっちゃうじゃないですか。
ああ、でもちょっと考えちゃうくらいおいしいなぁ…」
冗談を言いつつモグモグと幸せそうに食べるソラを眺めながら
とりあえずこれからはまめに作りにこようと思ったバーン君でした。
(実はソラさん料理出来ない人です)

















楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル