夕日の色






ブラックスミスは淡く炎のようにオーラを放つ剣を騎士に渡した。
「お前に必要な武器はこれで全部作った。もうここに来るな」
「・・・・・・・・・・・・・・」
そして背中で拒絶するブラックスミスに、騎士は立ち尽くした。
ブラックスミスは工房の隅で熱が冷めた道具達を片付け始めた。騎士はそんなブラックスミスに一歩近づく。
「あんたは・・・・俺がここに来てた理由、わかってたんだ」
「・・・・・・・・・・・・」
ブラックスミスは答えない。ただ、道具を片付ける手が止まった。
「・・・・・・あんたは本当にイヤなら一刀両断にしちまう人だ。この剣みたいな人だ。実らない情ならば斬り捨ててしまうのが優しさだって・・・知ってる人だ」
「・・・・・・・・・・・」
ブラックスミスの背中は動かない。
息すら押し殺しているかのような、そんな緊張感に堪えられなくなったかのように騎士は動いた。
ブラックスミスの身体をかき抱く。

「なら・・・・・誤魔化して気が付かない振りをするこの態度が、あんたの・・・・答えなんだよね?」

顔を見ようとする騎士から逃げるように、ブラックスミスは顔を背けてきつく目を閉じた。








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